Music As Life

Violin, 音楽についてのお話をします

2と3の指を仕込む

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今日もAccolay。たぶん半年くらい付き合う。

どうしてもC-A の重音が取れない。2の指のCが上ずってしまう。

集中的に2、3の指を鍛えるのに良さそうなエクササイズを探したところ、 次が見つかった。

imslp.org

カール・フレッシュは有名な教則本もあるが、たぶんそれではない方。

最初に左手のみのエクササイズがある。4指をすべて弦上に置いてトリルのような動きをする。

その中で上のような場所!これが結構キツイ。 全音符の指は固定しておく。この部分ではAの指だけ動かすことになる。 H, EはD線、G, AはE線に置く。HEGは固定しておき、薬指のAだけ動かす。

これをやると中指のGがどんどん薬指に近づいてしまう。まさに克服したかった場所だ。 薬指が弱いと思っていたが、中指の踏ん張る力も弱かったようだ。

すぐに手が痛くなるので、休憩しながら根気よくほぐしていきたい。

またこのエクササイズは弓で音を出さないので、気軽に始められるのも気に入った。ちょっと時間が空いたらスキマを埋めるように取り組もうと思う。

下降しながらのポジション移動

今日もAccolay の練習をした。

imslp.org

45小節目から始まる、1小節ごとに3rd => 2nd => 1st ポジションを変えながらのアルペジオが難しい。

各小節ごとにフレーズが区切られる。 フレーズ最初の音はすべてE線の4番の指から始まる。この音程がとりにくい。ポジションを変えて最初の音が4の指で基準にできる音が無いように思える。

別の場所でいただいたアドバイス。ポジション移動を伴う2、3、4の指は仮想的に1の指をとってから始めると良い。この移動中に1の指は弦上で触れている。このことを応用する。

下降時のポジション移動で1の指を強く意識し,弦上の適切な位置に置く。 1と4でオクターブとなる場所もあるので都合が良い。これでだいぶ音程は改善したと思う。

もうひとつここでの課題はフォルテをキープしながら長いスラーのアルペジオを弾き切ること。今はかなり弱々しくなっているが、これの原因が掴めていない。ここは見せ場でもあるので、しっかり聴かせたいところ。もっと分析が必要だ。

今日は久しぶりにじっくり弾けた。いつもの練習メニューを2周できて満足。練習後は図書館で過ごし、心身ともに充電をした。

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3度,6度の重音を掴む

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先月末から Accolay のViolin Concerto No.1 in A minor の練習を始めた.

imslp.org

ちょうど新年が始まるタイミングでのスタートで良かった.最初の3度,6度の重音が難関だ.特にC-A を2-3 指で押さえる6度が難しい.3-2 の順に押さえれば何とかなるが,逆で押さえるとどうしても2の指のC がシャープしてしまう.

指の柔軟さが足りないと考えて,重音の基礎練習を繰り返している. 小野アンナの教本の3度,6度の重音スケールをひたすらやる.いきなり重音で弾くのではなく,C-Eと弾いてからCEの重音,D-Fと弾いてからDFの重音...と一つ一つの音を出しながら指の形を認識していく作業.

柔軟さが足りないのは,どうやら指の形のコントロールができてなく,すなわち神経が通っていないように思える.なので,焦らず,指の形を意識することを繰り返している.

1週間ほどやっているが,ようやく指の形が意識できるようになってきた.まだつりそうなところもあるが,もうしばらく取り組んでみたい.

それと,弓は押し付けないこと!弓の重さで十分に音は出るということを忘れずに.良い響きを楽器がわかるように丁寧に音を作っていく.

練習後に羅布乃瑠でひと休み.ヴァイオリン弾きの天使を眺めながらコーヒーをいただいた.

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Violin 練習ログ

今のところはだいたい同じ内容の練習を続けている. だいたい次のような順番でその日の練習を進めている.


  1. 指の体操 (Sevcik Op.1 part 1の最初の方)

  2. 音階練習 (小野アンナ1オクターブ全調)

  3. ポジション移動 (小野アンナ)

  4. 3度の和音 (小野アンナ)

  5. 6度の和音 (小野アンナ)

  6. レッスン曲 (新しいバイオリン教本 4巻)

  7. 自由曲


自由曲は気分転換に随所に挟んでいる.1〜2小節だけ弾くこともあるし,1曲まるっと弾きたい時もある.まったく厳密にはやっていない.

ほぼ毎日,この内容はやっているけど,なんとなくやったことの記録は残したいと思っている.そこで簡単なカレンダーをEvernote で作ってみた.

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本当に簡単なチェックするだけ.それでも何か記録が残ると嬉しい.

将来的にこうした練習ログの収集も自動でできるようになるのだろうか.「こんな練習を入れた方がいいですよ」みたいな提案があるとか.そうなった時,音楽家はどんなことを考えて練習するのか.

もっと細かく,どの教則本のどのフレーズをやったか,どのように弾いたかということまで記録ができて,それをコンピュータで解析する.満遍なく練習することが良しとするならば,練習が不足している調,リズムパターンなどは直ぐにわかりそうだ.音程もいけるかな.何度も弾いた録音から,特定の音が高い,低いとか.

多分技術的には可能だと思う.効果的かどうか?はなんともわからないけど,その先にどんな世界があるかは興味がある.もしもっと深く音楽を理解することに貢献できるなら,ぜひ研究してみたい.

ちなみに,こんなサービスが提供されている.

36kr.jp

思っているよりも遥かに技術は進んでいる.

マイ楽器との出会いを求めて

ヴァイオリンは本当に多くの楽器メーカーや工房が製作しているので選択肢が多すぎて迷う(贅沢).僕はいくつかの幸運が連なり,昨年末に初めて自分の楽器をお迎えできた.今日はそれが実現するまでの経緯を記しておきたい.

ヴァイオリンのレッスンを始める時点ではお借りした楽器で練習をしていた.楽器としては全く問題なかったが,そのうち自分の楽器を持ちたいな,と思いつつ,2年ほど経った.

そんな折,先生のご紹介で昨年の3月に,クロサワバイオリンの楽器フェアに伺った.この時はいろいろな楽器に触れてみたいと気楽な気持ちでいた.

実はヴァイオリンの専門店に入るのはこの時が初めてで,少し緊張していた.でも対応してくださったお店の方がとても丁寧で,安心して試奏させていただいた.

展示品については,さすが専門店の楽器フェア!大変良い楽器(とお値段)で,すごく貴重な経験になった.

特に印象に残っているのが,構えた時の重さと弾き心地,そして音色の3点. 楽器の個性もあると思うが,僕が気に入った楽器はまずとても軽い.羽を肩に乗せたかのようなフワッとした感覚に驚いた.そして弓を乗せると,それだけで部屋に音が広がっていく.全く引っかかりを感じさせない演奏感だった.

また,楽器ごとに音色が本当に違う.空気を纏ったかのような透明なもの,音に質量があるかのような重厚なもの,ツヤツヤと光り輝くようなものと様々で楽しい.

そんな話を先生やお店の方と話しながら,純粋にいろいろな楽器を試奏した.自分の中にしっかりと「心地よい演奏感」が刻まれたと思う.そして対応してくださった方の人柄もよく,いつかこのお店で購入したいと思った.

それから半年ちょっと経ち,コンサートを聴いたり公開レッスンに参加したりするうちに,日に日に楽器が欲しい気持ちが高まり,これはもう手に入れる機会が来たと自分でも分かった.そこで先生にご足労いただき,一緒に楽器を見ていただくことにした.

いろいろ日程調整をして,12月,再びクロサワバイオリンでお待ち合わせ.先生には事前に幾つかのヴァイオリンを試奏していただいていて,候補があった.それに加えて当日出していただいたヴァイオリンを試奏し,最終的に2挺まで絞れた. 候補はKlaus HefflerとRoderich Paesold .どちらもドイツ製の新品で弾き心地は抜群.Heffler の方は少し重厚でハリのある感じで,Paesold はそれに比べると繊細で柔らかな印象を受けた.正直かなり迷ったが,「音色が好きな方が良い」との先生のお言葉で後押しされ,Paesoldの方を選んだ.

こうして僕のもとにヴァイオリンをお迎えできた.おかげで今とても楽しく弾いている.


振り返ってみると,いくつか大切にした方が良さそうなことがあった.

  1. たくさんの楽器に触れていること
  2. 第3者視点で見る(聴く)機会があること
  3. 自分が好きな音色であったこと

最終決断は3つ目の音色だったけど,そこに至るまでのプロセスの積み重ねがあればこそだったと思う.楽器の印象はある程度相対的な部分もあり,自分の中でどれだけ幅広い範囲の中で相対づけられるかが大切に思う.3月の試奏では数万〜数千万円という,やや極端な価格帯のヴァイオリンを弾かせていただいた.たった1日ではあったけど,それまで全く知らない世界を知ることができたのはとても大きい.

また演奏時と聴く立場では聞こえ方がまるで違う.僕はヴァイオリンを初めて日が浅いこともあり,特に顕著に違いを感じる.自分の音を客観視できていないということかもしれない.試奏時に同じ楽器を先生が弾いてくださったり,僕が弾いた音にお店の方がコメントくださったりしてとても参考になった.

そして3つ目は,「最終的に自分が選択する」というつもりでそれまでのプロセスを経てきたことだ.先生のおすすめ,楽器屋さんのおすすめも大切なご意見ではあるが,その上で主体的に選択するつもりがあるか.このことが決断結果を受け入れられるかにつながっているように思う.

こうしてみると,たかが楽器選びではあるが,自分らしく生きていく姿勢の話にもつながるかもしれない.

このヴァイオリンとともに,素晴らしい音楽との出会いがあることを祈っている.

2020年最初の朝日をお迎えして

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EOS 5D MarkII/28-135IS

2020年最初にやりたかった事のひとつの,初日の出を観に行ってきた. よく澄んだ冬らしいピリッとした空気が気持ち良い.

雲から太陽が顔を出したのが7時ごろだった.太陽が出てくると,一気に大気が暖まるのを感じた.

よく見える場所なようで,同じように初日の出をお迎えしようとお考えの人がいた.一緒に2020年をお迎えした.

朝日を見に来た理由はもうひとつあった. 今取り組んでいる曲のイントロダクションのイメージが,冬の寒い空気の中,背筋を伸ばしてキッと前を見つめるような緊張感を覚え,その印象を確かめたかったからだ.

実際にその場面に立ってみたが,今日はお正月の雰囲気がありそれほど緊迫感も無く,予想とは違った. ただ,そのおかげで別の考えが生まれてきた.ちょうど太陽が昇り大気が一気に暖まるように,期待と不安で混沌とした感情を急速に収束させ,熱狂させるような熱を帯びた音楽が浮かんできた.

今日の体験が音楽に宿ると嬉しい.

2020年もよい音楽との出会いがありますように.

2019年 印象深いコンサートなどの記録

2019年の最後の日に,今年の印象深かったコンサートなどを列挙してみましょう.


2019年4月30日(火・祝)ムジカーザ

曲目:クラリネット弦楽四重奏のための五重奏曲変ロ長調作品89(A.レイハ), ピアノ五重奏曲イ長調作品81(A.ドヴォジャーク)


  • アンサンブルスピラーレコンサートシリーズvol.8「Acht Abent〜「8」の夕べ〜」

2019年9月1日(日) ルーテル市ヶ谷ホール

曲目:弦楽八重奏曲変ロ長調(M.ブルッフ), 弦楽八重奏曲変ホ長調作品20(F.メンデルスゾーン


  • ヤクブ・ヤン・リバ:チェコのクリスマスミサコンサート

2019年12月22日(日)カトリック洗足教会

曲目:ヤクブ・ヤン・リバ:クリスマスミサ, 他


これらの他に,ぺテル・ミハリツァ先生のレッスンを2回拝聴できました. 図々しくも,ミハリツァ先生にサインをいただきました. f:id:kaz8zak:20191231222115j:plain

ミハリツァ先生の直筆サインをバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータの楽譜に! いつかこの楽譜を持って教えていただけるように精進しましょう.

すべて,Violin, Viola 奏者の渡辺雅之先生にご紹介いただいたものです. どれも素晴らしいコンサートやレッスンで,その場にいられたことに感謝,感謝です.

渡辺先生には日頃からレッスンでお世話になっていますが,それ以外にもたくさんの音楽に触れる機会を与えてくださる方です.

コンサートやレッスンは,生身の人間と直接的に音楽を共有できる,とても貴重な体験なわけですが, 当然ですが,その場にいないことには体験も何も無いわけで. なのでそのような機会が得られること自体,本当にありがたい話です.

その中でも特に,12月22日のクリスマスコンサートでは,とても個人的で不思議な体験をしました. このことについては,また時間を改めて振り返ってみたいと思います.

さて,2019年は素晴らしいコンサートだけでなくヴァイオリンとも出会うことができました. これについても別の機会にご紹介できたらと思います.

2020年もよい音楽を通じて素晴らしい出会いがあることでしょう. 家族と音楽に感謝しながら,おやすみなさい.